風の強い日に、屋外での作業を続けるかどうかが問題になったことがあります。
予定どおりに終わらせたい。
作業を止めれば、お客様にも説明しなければならない。
現場には、予定を崩したくないという気持ちがあります。
しかし、機密文書飛散による情報の流出や、回収物が飛んで事故や怪我を起こしてしまったら、「予定を守るためだった」という説明は通用しません。
必要なのは、起きたあとの言い訳を考えることではなく、起きる可能性を無くすことです。
車の運転にも云えます。
黄色信号で速度を上げる車を見かけます、
その人は急いでいるのでしょう。
しかし、そこで事故を起こせば、五分や十分の遅れでは済みません。
相手を傷つけるだけに留まらず、多くの人の大切な時間も奪います。
余裕をもって最初から早く出発していれば済むことです。
経営も同じです。
会社が苦しくなってから、人を育て始める。
事故が起きてから、安全対策を考える。
問題が大きくなってから、対処に走る。
後継者が必要になってから、慌てて探しだす。
これでは、いつも対応が後手に回ります。
問題が表面化してから動くのではなく、まだ余裕があるうちに動く。
間に合わなくなってから速度を上げるのではなく、何事も「五分早く出発」する。
一見、小さな差かもしれませんが、数年後には大きな違いが生じます。
会社には決まりが沢山あります。
鍵を掛ける
定められた期限通りに処理する
記録に残す。
危険な状態なら作業を停止する
決められた方法で廃棄する
どれも難しいことではありません。
しかし、凡事徹底という言葉もあるように、当たり前のことを当たり前に行うことが実は一番難しいのです。
今回は大丈夫だろう
今まで問題にならなかった
時間がなかった
悪天候だった
小さな妥協の積み重ねが、大きな問題を生みます。
重大な事故は、ある日突然起きたように見えます。
しかし「ハインリッヒの法則」をご存じの方も多いと思いますが、大事故の前には、小さな見逃しや、ルール無視、ヒヤリハットの積み重ねが必ずあります。
従って管理職には、問題が起きたあとに叱るだけではなく、起きる前に気づく力が求められます。
そして、経営理念は飾りではありません。
目の前で起こった出来事をどう判断するか考えるためにあります。
この仕事の目的は何か、誰を守るためのルールなのか、目先の効率よりも優先すべきものは何か。
現場と理念を結びつけることが出来れば、社員が自分で判断できるようになります。
創業100周年も単なる会社存続の話ではありません。
私がすべてを決めているままでは、到底100年先まで続きません。
何でも社長に判断を仰ぐのではなく、社員が自分たちで考える。
理念に照らせば、本当に正しい選択が出来る筈です。
今だけでなく、5年後、10年後に何が残るのかまで考え抜いて、必要なときに相談して欲しいのです。
この風土無くしては、社長が交代しても名前が変わっただけになってしまいます。
私は、会社を自分だけの所有物だとは全く思っていません。
社員みんなのものであり、その中で、私がたまたま社長という役目を担っているだけです。
なにもかもいつまでも決め続けることが私の仕事ではないのです。
次世代の社員みんなが、自分で正しい判断をできるようにすることが求められます。
私が元気でいられる時間にも、当然限りがあります。
後継者が必要になってから考えるのでは遅いのです。
もう一度云います。
「五分早く動く」というのは、単に急いで行動するということではありません。
※生成AIで作成